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「ねぇ。君、一人?」
百三十回目の溜め息がでそうになる頃、突然声をかけられた。
補導される――!
怯えながら顔を上げると、この辺では見かけない制服姿の女子が立っていた。
ニッコリと微笑んだ顔が、めちゃめちゃ可愛くて、僕は固まる。
「一人じゃないの?」
彼女はそう言うと、片方の手を目の上に運び、キョロキョロと辺りを見回した。
「ヒッ、一人です!」
緊張して、声が少し高くなる。てか、家族以外と話すの久しぶりで声の出し方、忘れてたっぽい。
「ンじゃ、良いよね?隣座っても」
「へっ?」
答えるよりも驚く僕を無視して、彼女は座った。何だかとても良い匂いがする。
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