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近世のヨーロピアンな雰囲気を残す白亜の城は今日も騒がしい。
「何か御用でございますか?ルシファー様。」
「…甘い物が食べたい。眠い。疲れた。シャワー浴びたい。暇だ。どうにかしろ。」
「……一遍におっしゃらないで下さい。大体、私は貴方をそこまで甘やかしたことがありましたか?」
この王様然とした振る舞いは如何なものか。
白銀の美しい長い髪と透き通る肌がまるで天使のようだが、今のむすっとした表情で全て台なしだ。
「それから…。」
「まだ何か?」
「うるさい、黙れ。…客が来てる。」
その瞬間、ぎらりと妖しく瞳が光るのが見えた。
相変わらず、こういうことに飢えているらしい、このお方は。
「…それを先におっしゃって下さい。お客人をおもてなしして参ります。」
思わず呆れてしまうが、それでも一礼は忘れずに部屋を出る。
本来の目的を最後に言う辺り、寂しさの表れだろうか。
全く可愛らしい真似をしてくれる。
不穏な空気を片付けたら、仕方がない。
あの方にとびきりのデザートを。
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