労力人形

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ザク、ザクと、凍った地面を歩く、季節は冬でクリスマス。 マフラーの間から漏れる、吐息は白く、自然と早足になり、ポケットに手を突っ込み、猫背の姿勢は生れつきの目つきの悪さを強調させていた、なるべく目立たないように顎を引くけれど、逆効果だとわかっているだけに空しく、冬の寒さから逃れるように俺は急いで歩く。 働くだけの労力人形。 それが、俺、会社でのあだ名であり、陰口。 ただ、黙々と、淡々と仕事をこなしただけなのに、持ち前の無愛想さと、口下手だけに弁解する猶予もない、一方的に広まり、定着したあだ名に不条理だと呻くだけだった。 クリスマス、会社の同僚連中は、パーティーを開くなどと噂していたが、当然、俺は呼ばれない。 「わかっていたさ」 無愛想で、口下手で、図体だけでかい奴を呼んでも、場の空気を盛り下がることはわかりきっていた。 仮に、呼ばれても、断っていた、あの夜のような思いなんて、二度とごめんだ、苦しいだけだ。。 働くだけの、労力人形にクリスマスなど、似合わない。 クリスマスなんて、嫌いだ。
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