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猫が消えた時から少し時間を遡る。
季節は春
大国エインフェリア、魔術学校サークルドア学院。
春の召喚式のために第三儀式場に二年生が全員集まっていた。
その二年生の一人、ジャンヌ・クラインは気合いが入っていた。
ついでに緊張していた。
銀髪に金目という人目をひく美少女、ジャンヌは今日のために準備を万全にして臨んでいる。
何度も何度も手順を確認し、毎朝毎晩神に祈って、胡散臭いおまじないを試し、イメージトレーニングは夢に見るほどやった。
今も効くと噂のお守り(どう見ても呪われた人形)を懐に忍ばせている。
その辺で怠そうに説明を聞き流している連中とは、気合いの入りかたが違う。
今日の重みが違うのだ。
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