カレンダー婦人

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「もし俺がアメリカから帰ってきた時は、結婚しよう」 あれから一年。 あの人はまだ帰ってこない。 それでも私は待ち続ける。 「タケル君、ダメでしょ!」 私は保育士となっていた。 今の私にとってこの仕事と子供達の笑顔は宝物だ。 「タケル君、かおりちゃんを叩いちゃダメでしょ?」 「はい、ごめんなさい先生」 「ただいま、結婚しよう」 あの人が帰ってきた。 「え!?」って思った。 「このタイミングで!?」とも思った。 「ここは私の現状を説明する場面じゃなくて!?」とも。 かくして私達は結婚するに至った。 彼は「善は急げだ、今から区役所に行ってくる。帰ってきたら結婚しよう」と言って区役所へ行った。 「いや、まぁ今から結婚するわけだし、え?」と思ったし、頭がちょっとアレなのかな?時差的な何かアレかな?とも思った。 そもそも区役所へは二人で行かなきゃ意味がないような。 とにかく私は待った。 あれから一年。 あの人はまだ帰ってこない。
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