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驚きを隠せない様子の妹。図星だったのか口を開けたまま動かなくなる。
とりあえず、カマをかけてみるか。
「どうせクリスマスの事で悩んでいたんだろ」
「べ、別に兄貴には関係ないでしょ、放っておいてよ」
この反応はビンゴだな。それにしても分かりやすい妹だ。
「その様子だと、相手との進展はなさそうだな」
「だから、放っておいてっての!」
強がりを言ってそっぽを向く妹の姿を見て、俺は小さく溜め息を吐く。
放っておいてもいいのだが、毎年クリスマスの恒例行事になりつつある、暇な妹のトバッチリを受ける俺からすれば、アドバイスの一つや二つをして聖夜はのんびりと一人部屋で特番を観ているほうがいい。
「なにもそんなに意地張らなくてもいいだろ。お前よりも二年長く生きてるんだぜ、相談ならのってやるよ」
「でも……」
ええい、じれったい奴だ。
「遠慮するな。なんだったら、失敗するような事があったら責任とってお前の欲しい物を買ってやるから」
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