5/11
前へ
/21ページ
次へ
「それって身体だけの関――ひでぶッ」  妹の右ストレートが俺の左頬に突き刺さった。 「な、なにすんだよ!」 「アンタが変なこと言うからでしょ! そんなんじゃないし!」  頬を押さえながら文句を垂れるが、今回は俺が全面的に悪い気がした。  気を取り直して、 「会話が出来るなら話しは早い。メールで誘えばいいんじゃね?」  現代社会の恩恵でもある携帯電話様を使えば、直接会わなくても誘うことはいくらでも出来る。嗚呼、現代に生まれてよかった。 「却下」  期待は一瞬にして朽ちていく。 「何でだよ! 最高にクールなやり方だろうがッ」  おもわず叫んでしまう。 「はあ? そんなの決まってるじゃない。アドレス知らないし、それくらい気付きなさいよ鈍臭いわねー」  せっかく出した提案が一蹴された挙句、罵倒される俺って……。  でも、想定の範囲内だったけど。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加