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――パキッ――
手を伸ばして屋根から垂れ下がった氷柱を折る。
テーブルの上に置いてあったロックグラスに注いだウィスキー。
それを氷柱で混ぜながら、一気に飲み込んだ。
きつめのアルコールが喉を通り、血管から体全体、徐々に帯びてくる熱を感じた。
体を刺激するアルコールといい、皮膚に感じる冷気といい、その挑発的な刺激は心地好く感じる。
――生に刺激は必要だろ?
――さぁ、狩りの時間だ。
上着はいらねぇなぁ。
腰布を纏って、皮のベルトを締める。
バックルの先には【XIII】の刻印がされた指輪。
俺はドアを開けた。
グリーク第13の王。
俺の名は【獣】の王珠を持つ、獣王ディオ。
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