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ツイてない。
ツイてない時はとことんツイてない。
まさか、今日、カレシにフラれるなんて思いもしなかった。
『ミユ、俺、マジ好きな女出来た。別れてくれるよな』
は?好きだと告ってきたのは誰だ?
お前しか考えられない。ずっと一緒にいようなって言ってたのは、誰だ?
マジでって何だ?
私とは、遊び?
目の前で、手を合わせて頼み込む姿に、恋心が嫌悪感に変わっていく。
「勝手にすれば」
冷めた声でこたえて呆気なく終わりをつげた。
もう十日もすれば学祭。
一緒に回る約束もして、楽しみにしていたというのに。
ツイてない。
こんな日は、とことんツイてない。
「ミユ、ごめーん。これ、実行委員会に提出しておいて!私、あっくんが待ってるから。じゃあね」
押し付けるようにいなくなった親友のサクラの語尾にハートが見えた気がした。
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