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01.afterimage
「ねえ、もしも私が残像だったらどうするの?」
突然、彼女はそう訊いてきた。
「もし、私が残像で、貴方は本当は幽霊を見ていて…」
「卑屈になっちゃ駄目だよ」
「私なんか、いないんじゃないかって」
「そんなことないよ」
「だってそうだよ」
彼女は、比較的あまり大きく開かれてない瞳から涙をこぼす。
「私の性格はそうない性格だとしても丸被りだ。あの女に性格似てるし、誕生日はあの女と同じ。身長はあの女と同じだし、それに」
「やめて、」
「なにもかも同じで、私は…」
「やめてよ、ねえ。」
「私は、なんなの?」
まるでこれじゃ、みんなの代用品じゃない。
これじゃあ普段の私は、ただの残像と同じでしょう?
「―――――――やめてよ」
(貴方は一人きりなのに。
どうしてそんなことを言ってしまうの)
(だって、きっと貴方も私のこと忘れてしまうから
いいでしょ、忘れてしまうなら訴えたって)
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(だから私は 残像 なんだよ)
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