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「だったら誰だよ?」
もうお手上げと手を広げ分からないと主張する田中。
「仕方ないなーヒント教えてあげる」
「もうめんどいから答え教えろ」
「えーつまんなーい」
「俺は彦一に同じクラスで彼女ができたって聞けただけで十分だから、なんならこれで帰るぞ」
「あっ待って。言うから言いますから」
ここまで来て言わせてもらえなんて、餌を与えようとペットに待てをしたわいいものの、焦らしたためにペットがどっかに行ってしまった主人の気分になってしまうじゃないか。
「最初からそう言え」
田中は相変わらず携帯をいじっている。
「さては帰るつもりなんてサラサラなかったな田中十六世(たなかじゅうろくせい)」
「そうだけど」
こんな見事な引っかけを平然と言ってのけただと!
「さてはお前平成の策士か」
「只の公立の高校生だよ」
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