第一章

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それから、その鬱陶しい前髪を持っていたヘアピンで左サイドに纏めとめた。 すると、やっとソイツのその両目が見えた。 驚いた様に大きく見開いている。 私がとめた前髪を軽くさわると不思議そうな顔をし私をまじまじ見つめる。 私は満足げに笑って 『うん。その方がええよ。前髪鬱陶しいやろ? それに、あんた吃驚するくらい男前やんか。』 そう言う。 実際、はっきり見えたソイツの顔は誰が見ても男前だと言いそうなくらい整っていて、モデルかと思うほどで 蒼依も吃驚していた。 しかし 「そんなことない。 俺は不細工やからこんなっ…」 そこまで言うとまた目に涙を浮かべる。 そんなソイツを見て私は 『じゃぁさ、アンタを虐めた奴 否、学校中の奴をあっと言わしたろやない!』 そう言うとまたソイツは驚いた風に見上げる。
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