第一章

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「母さんもバカじゃないからそのへんは安心しなさい。 ほら、この間このテスト5分の4以上出来なかったら 塾に入れるから て渡したテストあったじゃない?」 『ああ、あのカンニングしたらダメだからって 学校で先生付きでしかも放課後一人でやらされてやった メチャクチャなテスト?』 「そうそれ。あれ転校する時にいるのよね。 だから別に最初から塾に入れる気なかったのよ。 まあ蒼依は元々賢いし余裕で90点代だったから難なく合格したんだけどね。」 は、填[ハ]められたああああ    「大体蒼?貴女本当にクラスに馴染めてるわけ?」 そう聞かれてギクッとする。 まあ、別に嘘を言う必要はないから 『どうせ、私はクラスに馴染めへんよーだ』 拗ねてみた。 何を隠そう鬼頭さんちの… あっ違うか 長谷川さんちの蒼依ちゃんは、 この辺りで最強と謳[ウタ]われるヤンキーなのだ。 噂では関西の2府4県で5本の指に入るとか入らないとか… しかもヤンキー暦二年という短期間での この強さに周りは引いてしまって クラスでは孤立しているのだ。 「ほらね、そんな事だろうと思ったわ。 見た目は普通の女の子なのに… 大体、 蒼と仲がいい子なんて俊ちゃん以外母さん知らないもの。」 『あぁ、俊也な。 あいつはええ奴や。 まぁ、最初はビビりにビビっとったけどな。』 そう言って懐かしそうに目を細め ふっと微笑む。
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