第一章

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その日5時間目に出ていたソイツは 6時間目には出なかった。 6時間目の授業の担当の先生が席を指さしながら 「ソイツはどうした」 と聞くと クラスの男共がクスクスと笑い、その中にいた男子生徒が 「アイツ今腹痛いさかいに、保健室に居るんやて。」 そう言うとまた小さくぷっと吹き出す。 先生も疑いもせずに 「そうか」 と言うと、名簿になにやら書き込み 「授業はじめるぞー」 と言って、授業が始まる。 しかし、私は違和感を拭いきれずにいた。 おかしい、そう心が訴えかけてくる。 あいつは保健室なんかに居ない。 そう直感した。 そうするといてもたってもいられなくなり ガタッ 私は席を立った。
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