第一章

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取り敢えずアイツが外にいる気がした私は、 人目に付かなさそうな所を手当たり次第捜し みつけた 足音が聞こえたのだろう ソイツは、恐る恐る顔を上げその瞳で私を捉える。 その怯えきった瞳は長い前髪に隠れ左目しか見えていないが その瞳は充血して赤く、腫れてた。 私が 『みぃつけた』 と言うと、ビクッと肩だけでなく全身を揺らし、 小さく丸まっていた体を更に小さくする。 完全に私にも怯えているではないか。 私はその怯えきった姿が悲しくなって、 そして、湧き上がって来たどう仕様も無い感情に自分でも呆れて 『はぁ~』 溜息を吐く その溜息にさえ体をビクつかせているので、もう苦笑いしか出てこない。
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