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「先輩は、いつもそうやって悲しい顔をするんですね。」 雪の降っているある冬の夜。 この少し寒い廊下で。 いつも挨拶しか交わさない後輩から、そんなことを言われた。 「え……?」 後輩は、そのまま部屋の中へと入っていく。 寒そうに、そして眠そうに。 ……なんだったの? いつもは明るく挨拶をしてくれる後輩だった。 だけど、さっきのは違う。 私は、後輩が入っていった部屋のドアをしばらく見ていた。
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