飽くまで設定

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そのまま自転車で爆走し、適当な所で右折。 真っすぐ行くと、更に右折。 要するに、遠回り。 家の近くまで行くと、僕は母に買い物を頼まれていた事を思い出す。 近くなんだから自分で行ってよ。なんて思うが怖いので何も言えない。 スーパーの前に自転車を止めると、鍵を抜いて中に入っていった。 「肝。いや、しかし豚で攻めるべきか。肩ロース……違う、バラ肉の野菜炒め」 変な人が後ろから追い越していった。 その人は何かに気がついたような感じで、振り向く。 「なるほど、ボディーソープということか」 僕を見るなり、そう言った。 関わりになりたくないので、斜め横に踏み出す。 「知らないのか?ボディーソープの存在を」 「あ、すみません。ちょっと退いてください」 「敵幹部の名前を当てるとは、流石だな。なるほど、これは良い」 彼女も僕と同じ学校らしい。 多分一つ上だけど、綺麗な人だ。 身長は……ちっちゃい僕なので、基準にするのがおかしいよね。そこそこありそうだ。 胸、めっさ大きい。黒いロングで、緑のリボンをちょこんと付けた、どう見ても清楚な、良いお家柄じゃないかって女性。 だが残念、変人だ。 「他の方に迷惑かかるので」 「なんだと?君は砂ずりの可能性を「ちょっと五月蝿いです」 入口なので、ともかく肩を押していって、騒がしいので口を手で塞ぐ。 彼女は用が無いかもしれないが、僕はあるのでカゴを取って牛乳の場所へ。 「乳くらい搾り出せば良いだろう。母親、居るだろう?鬼教官が」 「居ますよ。居ますよ。でも、初対面の貴女を僕は知りませんけど」 「おっと、失礼。お初にお目にかかる。山口 友子殿の元で指導を受け、現在学生ながら地球を守るため、愛刀ボディーソープで悪の組織エアリティと戦う文音 麗愛(フミオトレイア)と申します」 ふむふむ。 要するに痛い人と。 いや、流石に信じるけども。 母さんのことを鬼という人の言うことはもう信じていいんじゃない? 的を得ているというか、それ以外に言い様も無いからね。
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