飽くまで設定

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ただ、一つ。 「愛刀ボディーソープって何だよ」 「一本で太陽系全壊だな」 地球を守る奴が太陽系単位で破壊してどうすんの。 で、彼女は護衛らしいので母さんに頼まれた物をカートに入れていく。 朝に委員長から守ってもらいたかったのだが、学校の時刻は自分で頑張れとのこと。 まあ仕方ないけどね。 「二千三百四十円です」 お金を支払い、スーパーから出る。 家まではついて来るらしく、僕はスーパーの袋をカゴに入れ、鞄を背負う。 彼女は走るとのこと。 「ゆっくり行った方がいいですかね?」 「そうだな。交通の安全は守らなければならない」 彼女のために気を遣ったのだが、話が食い違ったらしい。 だけど、時たま変な事を口走るのと変な行動を取る以外は常識人。 今日初めて知り合った人達の中で最も好印象だね。 「ゴー、ストライクデンジャー号!!」 「そんな名前じゃありません!」 自転車に変な名前を付けられたが、僕はゆっくりと漕ぎはじめる。 錆男(サビオ)でいいよ、錆男で。 他愛もない世間話をしながら進んでいると、後方から変なのが沸いて来る。 「ダーリン……浮気は「危険人物発見。排除させてもらう」 文音さんは、猛スピードで自転車を漕いで追ってきた里裏さんを横から蹴飛ばす。 自転車に対する最強の対処法なの?それ。 「さ、流石にやり過ぎなんじゃない?」 「ボディーソープの手入れか?褒めて貰って光栄だ」 思いっきり石の壁に激突した、里裏さんをあまり気にしていない様子。 母さんに訓練受けた人がマトモな感性してるはずもなかった。 一瞬止まったが、再び進み出す僕と文音さん。 僕も大概、人のことは言えないね。
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