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「堕天使よ!我が呼び掛けに……答えよ!共に歩もうではないか」
「…………ッ、何だ。僕の体が……疼いてっ……!」
「よし、これは仕返しね」
横から、蹴りで落とされる。
電柱に突っ込みそうな所で、壁にぶつかる。
腰に手を当てて、どや顔。
どう見ても変人です本当にありがとうやっぱり帰れ。
「堕天使?」
「そう。私を……あんなことにしたんだから、せ、責任……取ってね。そ、その…………妊娠しちゃったんだし」
へ?
……。
逃げよう。
「頑張れマイチャリ。まだだ、まだ持つんだろ!?よし、いっけぇぇぇぇぇぇ!!!」
「だから言ったじゃない。イくのもイッたのも私。責任取りなさいと……三度目は言わないから」
自転車を立ち上げた所で、再び蹴倒される。
彼女はもじもじしながら、僕の手を取る。
そんで、上半身ごと引き寄せる。
そこから、目を瞑る。ごめん、確定コンボじゃないから。
「ほ、本当に僕がやっちゃったの?覚えはないんだけど」
「そう、前世で」
「うん、妄想に付き合ってる暇はない」
しゃがんでいた彼女の肩を蹴飛ばし、立ち上がる。
再び自転車を立て、カゴからこぼれ落ちた鞄を元の通りに入れる。
「アディオス。永遠にね」
「……どうせ会う。その時には、覚悟しておいて」
追ってくる気はないようで、僕は安心して漕ぐ。
「暗黒面に堕ちるんじゃない「遅刻するだろー!!」
厨二っ子におさらばして三分程。
何かが走ってきたので、一喝を入れて加速。
またか、と思って見ると男性。
モテない系男子が羨むであろうイケメン。
なんていうか、V系。さっきの女の子みたいに邪気眼系のちょっと厨二っぽい、黒いコートの二十歳くらいの男性が走ってくる。
頼むから着いてくるな。
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