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「な、なんだ……右腕が疼いて……ちょっとぉ!?」
「それ!それ……だから、それは私のなのよ!!」
「あ、ごめん。ちょっと一時休戦」
「何か?」
「いやね、僕自分の事知らないの。話そう。とりあえず話そうよ」
「…………信じてあげるわ」
妙に偉そうな委員長さんだが、僕は椅子に座る。
読む為のスペースで、彼女は対向に座る。
「で、僕はオーディンさんらしいけど」
「転生、って奴ね。フェンリルに飲み込まれ、その中で貴方の体に転生したの。ただし、自力では無理だったみたいね」
「はいはい」
「なんか知らないけど色んな所から引っ張ってきて、更にパワーが欲しかったらしいから私の右腕を奪って、色んな物が生まれたアンタに住み着いたわけよ」
「なるほどね、分からないから勘弁してください」
「……それはそうと、貴方達、新任教師の話をしてたわね。新任教師、あれよ。天使長よね。何しにきたのよ」
「知らないよ……堕天するな兄さんつって追い掛けてきたし……こっちが聞きたいよ」
「あれ?そうか。貴方、そういえばルシフェルも付いてるわね。と、いうか力を受け継いでるのよね」
な、なんだってー!?
……。
どうやら奴はただの厨二病じゃなかったらしい。
と、いうことはあの女の子も……ふぅ。
僕は頭を押さえ、立ち上がる。
「悪い夢だからさ、帰って寝るよ」
「委員長として、仮病の早退を阻止するけど」
「勘弁してよ。マジの頭痛だよ、これさ。てか夢の中だから仮病もきくでしょ」
「生憎、現実なの。私の右腕は今度返してもらうとして、教室に戻りましょ」
無理矢理腕を引っ張られ、連行される。
何なんだよ。
何なんですか。
「何なのこれぇぇぇぇぇぇぇぇ」
僕の悲痛な響きでも、現実に返ることはなかった。
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