出会い

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「あの…」 女が声をかける さっきまでの期待に溢れた立ち振舞いとはうってかわって 弱々しい 聞こえるか聞こえないか程度の─こんな怪しげな場所に迷い込んだ一人の女性にふさわしい─小さな声だった 女には不安がたちこめている 今の声で気づいてもらえなければもう帰ろう そう思える程だった しかし 幸か不幸か 男にはしっかりと女の声が聞こえていたようだった 男は振り向いた
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