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――大丈夫だ。
まだ手は動くし、脚も動く。
痛いのは生きているという証
できる。僕ならできる。
《Lightning!!》
頭にそんな音声が響くと、左手に握る武器がバチリッと発光した。
長い柄に右手も添えてしっかりと握り締め、前へ駆け出す。
「おおおぉぉぉぉおぉぉぉぉ!!」
――グオオオォォォオォォンッ!
接近してくる僕に対し、蜘蛛は雄叫びをあげながら体当たりを仕掛ける。
柄の先端に取り付けられた切っ先が発光し、熱を帯びる。
狙いを定めろッ!
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
蜘蛛の真正面ではなく、右側に少しばかり軌道を修正する。
そして僕の武器と蜘蛛が衝突した。
――グチャッ
生々しい音と共に、柄から生々しい感触が伝わってくる。
――ブチッ、ブチッ、ブチッ!
一本目、二本目、三本目
軌道を僅かにずらした切っ先が、蜘蛛の左側の足を切断していく。
見るからに頑丈そうな甲殻でも、やはり付け根は脆い。
「おおおぉぉぉおぉぉぉおぉ!!」
腹から全力で声を出し、全身に力を込める。
バチンッ!!
次の一瞬に雷光が瞬き、蜘蛛の左側の最後の一本の足が切断された。
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