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それはともかく……頭が痛い。
なんだなんだこの痛み?
頭に手を当てて外傷がないか確かめようとしたら、左手に妙なものが着いていることに気が付いた。
「え……手錠?」
思わず声を出して自分の左手首をよく見た。
手錠なんて実物を見たこと無いが、ドラマや漫画で出てくるようなものによく似た形状をしている。
しかし付けられているのは左手だけだし、鎖も鍵穴も無い。一応はブレスレットと言えないことも無いだろう。
《皆さん三〇〇人全員、ちゃんと参加できましたね》
「「「ッ!」」」
頭上から響いてきた声に、僕を含めて全員が頭上を向いた。
そこには白い天井があるだけだが、間違いなく今の声は天井から聞こえて来た。
《それではエネミーを解き放ちます。
死ぬ前にパラメーター、スキル、ウェポン、エレメントを発動させて撃退してください》
「は?」
何を言っているのか理解できずに僕は呆けた表情をしてしまう。僕以外にもリアクションをしている者がいて、大声をあげた。
「おい! ここはどこだ! お前は何者だ!!」
それは僕も気になっていたところだ。
こんな見知らぬ場所で、見知らぬ奴らと一緒に一つの場所に集められるとか、僕には…………ん?
何か違和感があるな。
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