序.始まり

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市中を見廻り、屯所に帰ろうとした時、どこかから悲鳴が聴こえた。 俺は、他の隊士達に沖田さん達を呼ぶよう伝え、斎藤さんと現場に急いで向かった。 現場には、もう下手人はおらず、切り捨てられた死体が4.5体転がっていただけだった。 俺らが到着して、死体を一通り調べ終わってからすぐに、沖田さん達は到着した。 「ご苦労様。謙介君も一君も、仕事が早いから楽だよ。あ、謙介君さ、後で僕の部屋に来てくれる?」 と沖田さんは、言ったので、俺は頷き、斎藤さんと屯所に戻った。 今日で6件目か…さすがにまずいなと思った。 土方さんの堪忍袋の緒がきれるのも時間の問題だ… とか考えながら屯所に帰ると、土方さんと近藤さんが、渋い顔で、玄関の壁に寄りかかっていた。 「やっと帰ってきたか。総司と平助はまだだな。まぁいい。近藤さん。」 「ああ。帰って来て早々悪いんだが、ちょっと来てくれないか? 幕府の勅命がくだった。」 そう言って、土方さんと近藤さんは、奥の部屋に入って行った。俺と斎藤さんも後に続いた。 中に入ると、源さんと山南さんと左之さんと新ぱっつぁんが来て座っていた。 みんな渋い顔をしていた。
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