一章 はじまり

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(この顔は……見透かされてる?) 「隆二」 隆二は瑠美から顔を逸らしそんな事を考えていたが、ふと那月に名前を呼ばれ那月を見る。 那月は腕を広げ微笑んでいるが由奈はまだ離れようとはせず、那月の髪に頬擦りをしている。 那月のそんな行動に頬を赤らめる隆二に、瑠美はまたニヤリと笑みを浮かべる。 「ほら、隆二。お言葉に甘えて抱き付いてこい!!」 瑠美が力強く隆二の背中を叩いた為、隆二は足をもたつかせながら那月に抱き付く形になる。 「瑠美さん、何してるの!?那月は私の嫁なの!!」 由奈は頬を膨らませ、瑠美を睨み付ける。 「はいはい。泣きホクロさん」 右目の目尻辺りにホクロがあるのを由奈は気にしている。 その事を知っている筈の瑠美の発言に、那月の背中に顔を隠す由奈。
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