ある時この部屋で

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 昨日は大学のテスト勉強と教授に提出するレポートを一日中、しかも夜遅くまでしていたから、俺が女の子を連れ込んだなんてことは有り得ない。  そもそも服や雑誌で散らかってる汚い自宅に誘えるような女の子がいない悲しい一人暮らしの男子大学生であるはずの俺、伊原浩輔。  昨日から散々だ。テストの内容が教授の気分で変えられ、おまけに雨に降られて干していた洗濯物は全滅。その洗濯物を室内干ししたせいで部屋の中が湿気臭いってのに雨のせいで窓が開けられない。  そしてトドメと言わんばかりに、可愛い女の子が俺の布団に裸で寝ているっていう。  とりあえずそのまま放置はまずいから布団を被せてあげた。 「うおおおなんだこれ!?俺は夢遊病を発症したあげく女の子を連れ込んで色々責任取らなきゃいけないようなことをしちまったのかあああ!?」  女の子が起きないよう、小さな声で思いっきり叫ぶ。  ちらりと女の子の顔を見る。童顔。学生…下手したら高校生かそれ以下かもしれない。目を開けてないからはっきりはわからないけど、目は大きく、頬がほんのりピンク色。口は小さいが柔らかそうだ。  …何じっくり観察してんだ、そんなことより他にすることあるだろ!! 「こ、これは警察に通報…?いやでもこの状況だと俺が捕まるのは間違いないし…」  携帯を取り出してはみたものの、どこの誰に連絡していいかわからず、持つ手が震えるだけだ。
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