Arrest

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「ちょっと、これどういうことですか?」 必死にもがくけどおもちゃの手錠はびくともしない。プラスチック製なのに意外と頑丈。 「どういうことって、そや、そっちよりもここの方が規模がでかいんやで!」 「残念だけど、こっちのイケメン部は今までイケメンを輩出してきた歴史があるんだ。ほら」 やや背の高い男性が指した先には、豪華な額縁の写真が飾られていた。しかも写っている人物は本当に格好いい。 「…ななななんのぅっ! こっちだって長い歴史があるんだ!それにイケメンしかいないイケメン部なんてイケメン部じゃないっ!」 後半意味不明な台詞で対抗する我らが赤劇場イケメン部のリーダー。 「ほほう……。 長い歴史ってどんなや?」 「そう来ると思って準備してある! これだぁぁっ!!!!!」 自信満々にいくつかのファイルを見せる。私がイケメン部に入る時に見た、あのファイル。 「そしてこれが……30周年記念のファイルだ!」 それは3年生が卒業する前に最後の記念に、と撮った写真が表紙のファイル。赤劇場イケメン部のフィナーレを飾った1冊。
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