Dear old home

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特徴として、『芳幹』は一番大きなホテル。ジムが併設されてあるけど値が張る。 『旅館 光』はこの学園から一番遠いけど景色は最高。露天風呂は勿論食事も四季折々の食材をふんだんに使っていて美味しそう。ただここも高い。 一方『赤富士ホテル』は、正確に言うとビジネスホテル。立地場所が赤劇場学園に近い。ほぼ素泊まりだけどその分リーズナブル。 主に予算を重視しながらじっくり吟味していた時、私はある疑問を抱いた。 「イケメン部の予算って、だいたいどのくらいですか」 「「「あ」」」 そう、イケメン部は『部』がついているものの人数が足りず、『愛好会』に成り下がっていたのだ。愛好会ということは当然、部よりも扱いが雑で、予算もろくに割り当てられてない。 答えは既に決まっていた。 「じゃあ『赤富士ホテル』か」 「まぁしゃあないな」 「一泊3,900円か。えっ、じゃあみんな一部屋で泊まるの?」 「えっ」 この時一番驚いたのは私。何故なら男女別室でも、更に近くの練習場を借りても1万円でお釣りが来る。 そうでなくても少ない予算を色々切り詰めた結果、余裕があるから。使いきろうと思っているわけじゃないけど。
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