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ぼんやりとした光
次々と浮き上がる文字
薄暗い部屋の中、俺はベッドの上で毛布にくるまって携帯を弄っていた。
このとてつもなく蒸し暑い中、だ。
暑い。超暑い。この毛布さえも投げ出したいほどに。
だが投げ出してしまうと風邪をひいてしまうかもしれない。
チクショウ、この貧弱な体が恨めしい。
俺の意思で動いている指を止め、睨みつけてみるがどうにもならなかった。
また入力を再開する。
やっていることはなんてことない、ただのメールだ。
眠気のせいで指が思うように動かず、時間がかかってしまっているが。
やっと打ち終えると、送信しようと思って件名の部分が空欄なことに気がついた。
そういえば書いてなかったなと数秒間考えるが。
「・・・いらないか」
件名無しのまま、送信ボタンを押した。
声に出したのは別に意味はない。ないったらない。
送信完了のメッセージを閉じ、ぼんやりとした光を放って地味に目を攻撃してくる画面を見つめる
すぐに返事が返って・・・来るわけないか。だってもう午前3時だし。
小さなあくびを一つ。
手馴れた動作で画面を閉じ、耳に掛けていた端末を枕の下に入れ込んだ
2097年7月3日。
画面に表示されていた日付が眼球に焼きついていた
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