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人類や地球が滅亡すると言われ続けて何百回。
今も地球は元気です。
いや嘘。全然元気じゃない。もう北極とかやばい。息してない。
地球規模での問題はなんとか進行を遅らせる程度にはなったが完全に止めることは出来ていない。
それを若い世代に押し付けて大人達はロボット軍隊だのミサイル撃つぞだの。
お前ら現実逃避してんじゃないよ、地球見ろ地球。
と言いたくなったのは仕方ないと思う。
話が逸れた。
まぁ時間の経過に伴って技術なども進化しているわけで。
さっきの携帯だってそうだ。
ごく一部の人達が舌っ足らずなアシスタント可愛いよハァハァとか言って数十年前の機種を使っているけども、現代っ子の俺には何がいいのか分からなかった。
今はあれだね、Augmented Vision Telephone。通称AVT。若者世代ではアビって呼ばれている。
ガラスパネルという物理的な枠から抜け出した次世代携帯機だ。最早携帯と呼ぶレベルではないのだが。
耳に付ける小さな端末から、えーと・・・・なんとか粒子ってやつで脳に直接リンクする。
そして眼球を通して見えている現実に画面を重ねるのだ。
実体は無いが触れたら反応し、意思だけで操作も可能。同じアビを持っている人同士なら画面を共有することも可能だ。
まぁ、使用には眼球及び脳の改造手術が必要なんだが。
もちろん外で使用するために都内には無線ネットワークが飛び交い、その機能を取り入れた建築物も多々ある。このアビによって情報社会は一気に進化したことだろう。
ただ未だにガソリンを使った車が一部存在していたり、逆にレトロな物を好む傾向にあったりと中々に中途半端な時代なのである。
さて、ここまでたらたらと思考出来るほどに俺の意識は起きているらしい。
考えていた内容がこの世界に関することだったのは、恐らく寝る前に少し世界史などを復習していたからだろう。
結局一睡も出来なかったか。
毛布からそっと顔を出し、ちらっと机の上にある時計に目を移してみる。
5時24分。うーん、起きるのには中途半端だなぁ。
・・・・・ようし、今日は休みだ。だから寝よう。
2度寝最高、と頭の中で呟きながら少しずつ日の光が強くなっているカーテンの隙間を無視して俺は枕に顔を埋めた
多分、1時間もしないうちに目を覚まさなければいけなくなるだろうが。
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