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妹の日課その1:兄の携帯チェック
そーっと廊下を歩き、音を立てないように兄さんの部屋の前まで移動する。
ドアノブに触れると冷たかったがそんなの気にせずに握る。
「・・・失礼しまーす」
私以外に聞こえないような小さな声で一応挨拶をしてドアを開けた。
私が入るギリギリまで開けると、体を滑り込ませ、後ろ手で閉める。
潜入完了、兄さんは起きていない。
向こうを向いて毛布を被っている。
毛布の膨らみが規則正しく上下していた。
最低限の呼吸と最低限の動きでベッドに近づき、私から反対側、つまり兄さんの顔があるところを覗き込む。
今日もぐっすり寝ていた。とっても可愛い寝顔で。
あぁやばいちょっと今すぐ潜り込んで兄さんの胸板に顔をこすりつけながらぎゅーって抱きしめて暖かさを感じながら一緒にイチャイチャして兄さんも私の頭を撫でてくれtはうううううううううっっ!!!!
・・・・・・ふぅ。
ちょっと思考が飛びそうになった。
ここに来たのはそういう目的・・・が現実になったら最高だけども違う。
兄さん携帯のチェックだ。変な迷惑メールが来ていたら消してあげるのが妹の務めなのだ。
兄さんは携帯を枕の下に入れておく癖がある。なのでそこを探ればいいの・・・だが。
枕の下に手をいれることは兄さんを起こしてしまうリスクが急増してしまう。これはあくまで隠密ミッション、気づかれてはならないのだ。
今まで惨敗し続けてはや10年。
今日こそは―――――!
「・・・何やってんだ」
「・・・・・」
そんな決意というか想いを一言で壊してくれた兄さん。今日もかっこいいです。
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