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「はぁ・・・ったく」
兄さんはそうため息をついて立ち上がると、携帯をポケットにしまった。
「ほら。着替えるから部屋でてくれ」
「じゃあお手伝いを」
追い出されました。
仕方ないですね、今日のところは引いておきましょう。朝食を作らないといけないですし。
しょんぼりした私の足取りは、キッチンに立つ頃にはもうすっかり元気だった。
何しろ兄さんの食事を作るのだ。きちっとしないと。
妹の日課その2:兄の健康管理
兄さんには元気でいてもらいたい。健気な妹心の元、私は今日も兄さんの食事を作る。
母は夜勤が多く、今日も多分昼まで起きてこないだろう。
エプロンを付け、鼻歌交じりにまな板の上で包丁を鳴らす。
ここで兄さんが起きてきて「おはよう、姫乃」とか言ってきたら新婚さんみたい!
あ、ちなみに私の名前は原川 姫乃です。
うふふえへへと手元も見ずに料理を続けていると、兄さんの階段を降りてくる足音が聞こえた。
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