5人が本棚に入れています
本棚に追加
何かある日は、いつも雨だった。
遠足、運動会、部活の試合、誕生日。
いつだって、雨だった。
1人、カフェでラテを飲みながら彼を待つ。
店内にある掛け時計は14時を指していた。
自動ドアが開いて、入ってきた客が辺りを見回す。
観葉植物が陰になってあたしが見えないかもしれない。
椅子から少し乗り出し、上半身をドアに向けると、くしゃっと笑って彼が駆け寄ってきた。
「待った?」
「ううん、今来たところ」
少し肩が濡れた彼は、それを手で払って注文に向かう。
ラテをもう一口飲み込み、窓の外を見上げた。
どんよりと曇った空。
ザーッという声を上げて、泣いている。
最初のコメントを投稿しよう!