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「…っく、」
「…奈央」
何でもないよ、っていつも通り笑いたいのに、声を出そうとすると嗚咽しか出ない。
雄大が手を伸ばしてあたしの背中をさすろうとする。
それをあたしは振り払った。
嫌なの、あの子のことを撫でた手で、あたしに触るのは、
我が儘だってわかってる、あたしが彼女なんだって、自信持っていいのはわかってる、
それでも、
「…ご、め…雄大……っも、無理…」
絞り出した言葉は消え入りそうで、雄大に届いたかどうか、よくわからなかった。
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