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「よ、よろしくお願いします」
委員長の方が優しそう。そうか、厳しい+厳しいじゃ組織って成り立たないもんね。やっぱそこはアメとムチってやつで。
「この子を担当したのは?」
「俺です」
「ああ、狼牙(ろうが)がしたのか。じゃあ、任せていいね」
「はい」
来いと呼ばれ、指導室の中に入って右側のドアをくぐった。
中に入って絶句した。
そこにはお菓子、漫画、雑誌、ゲーム機などなどが、山のように積まれていたのだ。
「ほら」
「あ…」
呆然としていた私の前に、副委員長がiPodを突き出してきた。私はそれを素直に受け取り、副委員長を見上げる。
「あ、ありがとうございます」
「取られたくなければもう持ってくるな」
「は、はい」
釣り上げられた眉が下げる気配はない。怒っている顔はクセなのか、私のせいなのか…。
私のせいか。
「すみませんでした」
「高速違反はトータル3回から反省文、5回で指導、6回から罰則がある」
「罰則?」
「校内全清掃。地域10キロ清掃。反省文100枚書き。教科書全教科丸写しなどだ」
恐ろしく厳しい。
「やった人は…?」
「数名居る」
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