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その人達生きてるのかな…。
「イヤホンをしていると周りの音が耳に届き辛い。背後から自転車が来ようが車が来ようが気づかない可能性がある。気をつけろ」
あ…。心配してくれてるんだ…。
硬い口調で、表情も怒ったような不機嫌なままだ。でも、その言葉には確かな気遣いがあった。
だから私は、心から笑った。
「ありがとうございます」
その時の副委員長の驚いたような表情が忘れられない。
それから副委員長には何度かお世話になっていた。
入学して3ヶ月経った今日も。
「キーホルダーが大きすぎる!!規定は縦横10cm以内だろうが!!」
「すっすみません!!」
日曜日にゲームセンターで可愛い猫のぬいぐるみを取ったので何も考えずにつけていたのだが…規定などすっかり頭から抜けていた。
副委員長はずいっと手を突き出してくる。
私は?と疑問符を浮かべ、その手に自分の手を重ねた。
「誰がお手をしろと言った?貴様は犬か?三回回って吠えるか?」
「ごっごめんなさい!!イタタタ!!」
副委員長が私の頭を掴んでミシミシと力を入れる。
私がすぐにカバンのぬいぐるみを取って差し出すと、すぐに離してくれた。
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