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「それじゃ。さよなら」
私は一礼し、副委員長に背を向ける。
ドアに手をかけたところでそっと振り返る。
すると、副委員長が相変わらずの仏頂面でそこに居た。
「おっおやすみなさい!」
慌ててそう言って家の中に入る。
いや、別にこの後夜の街徘徊したりしないから!
別に見張らなくても!
私はハァ~…と息を吐いた。
「卯月~帰ったの~?」
「うん!ただいま~」
リビングの方から聞こえたお母さんの声に返事をし、リビングに向かう。
「遅かったのね」
「今日はステーキだぞ!ステーキ(素敵)だろ?」
リビングではお皿を洗っている母とテーブルにつき、ご飯を頬張っている父の姿があった。
姉は社会人で、会社に寝泊まりということも少なくない。
いない様子から見て仕事が忙しいのだろう。
「母さん。今日のお弁当のしそ肉巻き美味しかったよ」
「あら、それは良かったわ」
嬉しそうにニコッと笑う母。
「お父さんスルー!?」
それに対し、喚く父。
「母さん。今日『わんにゃん事件簿』あるよね?」
「9時からよ」
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