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そいつは、気がつき体をゆっくりと起こした。
もともと、うつ伏せで倒れていたから、格好も顔も分からなかったが、変な服装に、大きな二重の目、鼻筋は通っていて、綺麗な形の唇。
そして、長く、風に揺れる黒髪。
「うぉっ!すっげー美人じゃん!!土方さんの女か!?」
左之は馬鹿発言をし、
「え?えぇ!?」
平助は慌て、
「えぇっと………トシの許嫁………?」
近藤さんまでもが、その容姿に潰された。
「みんな勘違いすんじゃねぇよ。こいつは、いきなり………落ちてきたんだ。」
俺はそう言うしかなかった。
こいつが倒れていた場所の周りは、人が入って来れそうにない所だ。
門から入ってこれば、まず俺の前を通るから気付くだろう。
こいつは、上から落ちてきたとしか考えられねぇ。
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