まずは自己紹介辺りを

10/12
前へ
/60ページ
次へ
「あの設定は多分創作だろうな。あの中の妖怪は現代になって変わったっていう設定だし。でも作中で言われている『元々は寺に出る死肉の集まりだった』っていう設定も最近のなんだよな」 「そうそう。ぬらりひょんと同じ『妖怪畫談全集 日本篇 上』からなんだよね」 「つーか先輩、何か言えよ。いつもの中途半端な話はどうしたんだよ」  いっちゃんが言うも、僕はのっぺらぼうなのでそういった記憶がなくなっている。 「うん、僕はくだらないことを知っていたものだね」 「全くです。それを延々私達に話す先輩はどうかしてると思います」  にーこは僕に対して敬語を使うが、実際敬っているかと言われると疑問が残る。 「大体先輩はいい加減なんだよ。だからそんな顔になんだ」  厳しい物言いのいっちゃん。 「ふむ、ではぬらりひょんの愚痴を代弁しようか」 「またそういうくだらない話をする」 「やっぱり先輩は所詮先輩ですね」  話をして欲しいのか黙っていて欲しいのかどっちなのだろう。 「僕が女性だったら濠の縁で顔を隠して泣くよ」  あ、と二人が同時に声を上げる。
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加