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「先輩、覚えてないんですか?」
「うん。ウィキペディアでも見ればその程度は語れるようになるとは思うけど、残念ながら今はさっぱりだよ」
「そういえば前にのっぺらぼうの話をしたこともあったな。一番有名なのはやっぱり小泉八雲の『むじな』?」
「あ、そうか。さっき言った私が読んだ小説ののっぺらぼうの呼び名もそこから取られてるんだ。『むじな』は所謂再度の怪っていうやつですよね、先輩」
「え? うん。そうなの?」
「朱の盤とかがそれだよな。中国の怪談がルーツで、一度出会って、逃げて一息吐いたと思ったら、もう一回どーん!」
「それは僕が話したのかい」
「そうですよ。先輩は会う度にそんな話をするので、私達もすっかり覚えてしまったんじゃないですか」
僕はよっぽど物好きな人間だったようだ。それに付き合うこの子達もこの子達だとは思うが。
「のっぺらぼうといえばぬっぺっほうも類型になるよなーちょっと違うけど。あっちも顔がないけど、顔と身体の区別がない全身肉の塊だし」
「『忍者戦隊カクレンジャー』では顔を舐められると顔を奪われるっていう妖怪だったよね」
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