弐.「遠き山に日は落ちて」

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綏聖院(スイゼイイン)家 起源は神代まで遡るという旧家。 古から退魔の家系として闇を暗躍してきた。 その退魔の家系としては、かの有名な安倍土御門氏より長く、正しく退魔のスペシャリストである。 正確にはわかっていないが、記録に登場したのは1400年程前と言われ、現在総領は77代目の綏聖院五十鈴(スイゼイイン イスズ)である。 因みに綏聖院と名乗り始めたのは平安初期頃と言われている。 明治維新頃、陰陽師の名門土御門家が、新政府との関係悪化により陰陽寮が廃止され、家名は廃れた。 しかし妖魔の退治役が居なくなり、妖怪が増加したため、 陰陽道ではなく新政府が推進する国家神道(所謂神社神道)派で、退魔専門であった綏聖院家を中心に、民間の退魔専門陰陽師等を統合し、退魔専門組織として政府直轄で再編した。 この頃、廃れていた名門土御門家から養女を貰い、本姓を土御門にする。 この血縁関係により陰陽道を信奉する民間陰陽師を手なずけ、組織の体制を固めている。 実際、家名は綏聖院のままである。 それから終戦まで綏聖院一派の多くは軍属となっていて、 優先的に退魔用に改造した武器を使用していた。 しかし終戦と同時に、GHQ占領により連合国への情報流出を懸念し、政府資料を全て破棄。 以降綏聖院一派は“存在しない”民間組織として、今に至る。 今なお防衛省、公安関係者が多い。
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