弐.「遠き山に日は落ちて」

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--- --- --- 「HAHAHAHAHA」 妖怪の存在を聞かされ早、2日。 目の前には正しく惨状と化しています。 現在、真夜中のとある公園。 爆発によりグシャグシャになったベンチ。 黒い爆発痕の着いた石畳。 ポールは真ん中から折れ曲がり、ガラスが割れ散らばってしまっている街灯。 キャンプファイヤーのように煌々と燃えあがる木々。それでも止まない爆発音。 「HAHAHAHAHA」 その時一際大きな爆発音。 ふと現実に戻り、周りを見ると、近くにあった車が爆発炎上。 何となく燃え盛る車を見ると、アフガンの自爆テロを思い出し、胸が締め付けられます。 「HAHAHAHAHA」 ………。 「HAHAHAHAHA」 ……。 「安全第一」と書かれた黄色いプラスチック製の所謂工事用ヘルメットに、黄色い蛍光色の襷と言う、正しく交通整理のガードマンと言う出で立ちに、 ショットガンと言う滑稽な格好の私の隣には、 プールもないのに裸にブーメランパンツと言う不可思議な格好をし、高らかに高笑いするマッチョな男性。 「…………」 「何処へ行こうと言うのかね?」 色々な意味で危険なので、立ち去ろうとすると肩を捕まれます。 「いや二重の意味で危険なので……」 「HAHAHA。怯える事はないすぐになれるさ」 いや、まず貴方が危険そうなんです。
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