弐.「遠き山に日は落ちて」

5/18
前へ
/84ページ
次へ
彼も仲間とのことですが、 私は信じません。絶対に。 「あの…… 服着て下さいませんか?」 「HAHAHAHAHA。何を言っているのだ、少年。私は服を着てるじゃないか。プライドと言う名のスーツをね!!! そう!! 我が名は変態紳(バキッ)!?……」 「あ! ゴメ~ン間違えちゃった。テヘッ」 いや、そんなドジっ娘見たいに言われても……。 変態男の顔面にハイキックが綺麗に決まります。 「と言うかこの人誰です?」 「支倉義平(ハセクラ ヨシヒラ)。年齢28。日本国陸上自衛隊元一尉。最終所属部隊、第一ヘリコプター団」 「と言う事は……」 「凄腕パイロット」 「マジ?」 「マジ」 「ほらよくあるじゃない。凄腕パイロットって精神病んでるか、馬鹿って言うの」 「アメリカ映画ですか」 アメリカ映画には頻繁に登場するタイプですね。 恐らく馬鹿の方だと思われます。 「と言うか此処は戦場のど真ん中でしたっけ?」 「公園のど真ん中よ」 いや、雫さんそんな胸張って言わなくても……。 「逃げていいですか? 物凄く怖いんですが」 「ダメ」 「雫さんも知ってるでしょ? 私がお化け苦手なの」 「知ってるわよ。大丈夫。護ってあげるから。それに逃げようにも立ってるのやっとでしょ?」 「……まぁ……」 ニヤリと笑う雫さんに、言い返す言葉がみつかりません。 「それとも楽にしてあげようか?」 私の首にヒンヤリとしたものがあたります。
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加