天の御遣い

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「……うぅ……」 深い眠りに就いていた曹昂は、全身を襲う鈍い痛みによって目を覚ました。 明滅を繰り返す視界が、少し間を置いて鮮明さを取り戻す。 城の一室と思われるそこには薬棚や救護箱があり、どうやら怪我人の治療を行う部屋らしい。 窓から差す陽光によって照らし出されるその空間に、曹昂以外の人間はいないようだった。 「ここは……ぐっ」 見覚えのない部屋に胸騒ぎを覚えた曹昂は、体を起こそうとした。 しかし、わずかに身じろいだだけで身体のあちこちに焼けつくような激痛が走り、起き上がることすら容易ではない。 歯を食いしばり、思わず漏れそうになる悲鳴を堪える。 乱れた呼吸を整える曹昂の額から、湿った布がずり落ちた。 (誰かが看病してくれていたようだな……)
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