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◇ ◇ ◇
一方、城外に脱出した曹操は、別の敵部隊に発見され、追撃を受けていた。
曹操を守る兵は片手で数えられるほどまでに減り、それとは逆に追っ手の数はどんどん膨れ上がっている。
「くっ、このままではいずれ……!」
敵軍に騎兵の姿はないものの、曹操たちにも馬は無い。
追いつかれるのは最早時間の問題となっていた。
不意に、曹操に付き従っていた兵が声をあげた。
「曹操様! あちらから蹄の音が!」
「何だと……敵か!?」
追撃隊とは別の方向から、騎兵隊が駆けてきていた。
燃える城の炎が照らす部隊の旗には『曹』の文字があった。
「父上!」
「伯父上ーっ!」
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