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「曹操を逃がすな! この宛の地を奴の墓場にしてやれ!」
曹昂の目前にまで迫った敵部隊の先頭には、追撃隊を率いている武将と思しき男がいた。
曹昂は、張繍軍と真っ向から向かい合い、剣先を天に掲げて名乗りを上げる。
「我こそは曹孟徳が子、曹子脩! 父の元へは行かせん!」
「曹操の息子だと? 貴様を討てば我が軍の士気も上がる……」
敵将が自部隊に攻撃を命じようとしたその時、横合いから曹安民率いる騎馬隊が敵陣へ雪崩れ込んだ。
「子脩殿を守れ! このまま突撃し、敵部隊を殲滅せよ!」
「ええい、まだ曹操軍が居たのかっ! 雑魚に構うな、曹操を追え!」
「一人たりとも張繍軍を通すな! 伯父上の後を追わせるなよ!」
両軍入り乱れた乱戦が始まり、曹安民が曹昂と合流を果たす。
「子脩殿、馬はどうした?」
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