これが俺のX'mas

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そしてX'mas当日の夜、俺は長老から子供に届けるプレゼントをひとつだけ渡された。 「お前さんは一ヶ所だけじゃ。そのプレゼントには子供の願いが込められておる。それを念頭に置き、大切に扱うのじゃよ」 初めてサンタクロースの仕事を始めたとき、長老が俺に言った台詞を述べた。 そしてあの時と同じようにプレゼントも1つだけ。 新人サンタクロースは、トナカイを巧く操れないし、家に入るのも苦労するため渡されるプレゼントは一つなのだが、今の俺は一流に属する部類に入っていると自負している。 その俺にこんな初級の仕事を与えるなんて、いったい何を考えているのだろう? 俺は訝しく思いながらもソリにまたがり、手綱を握った。 「おお、そうじゃ。大切なことを忘れておった。今回はその子供に顔を見せてもいいからのう」 はあ!?顔だしは普通禁忌だろ!? サンタクロースは子供の夢を壊さないように敢えて姿を見せないようにしているのだ。 それなのにその許可が降りるなんて何をやらせるつもりなんだ? 俺は謎だらけのまま言われた場所へとソリを走らせた。 村を出てるとブリザードに襲われ、未熟な者は肌を切り裂く風と視界を奪う白く細かい雪により視界を奪われ方向感覚を失い、立ち往生するはめになる。 回避方法は、雪雲の上を走る。ただそれだけだ。 とはいえ、雪雲は氷の粒の塊なのだから、襲ってくる氷を避けながら抜けるのは卓越した操舵技術が必要になる。 だが、俺にとってそれはスリリングなアトラクションでしかない。 直撃したらいくら普通の人間より丈夫な俺たちでも間違いなく怪我をする。 だからこそスリルがあり、ワクワクするのだ。 俺は高速で雪雲の障害物を避けながら、雲の上におどりでた。 雲の上は最高の眺めだ。 空気が澄みきってるし、邪魔な光もないから月は眩しいほどに光輝いているし、星も降ってきそうなほどだ。 こんな素敵な景色を見れるのはサンタクロースの特権だろう。 俺は見飽きることのない景色を見ながらもソリを走らせる。 そして到着した家の前で、俺は来たことを後悔した。 広い庭に大きな家、どう見ても裕福な家庭だ。 こんなでかい家を建てられる金があるなら物にも不自由はしないだろう。
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