ハイウェイ・ランデヴー

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「ってか終点がないだろ」 「じゃあ名城線」  すかさず竜兵が切り返すと、善は「むぅ」と呻いた。『名城線』がどこの線か分からないのだろうかと、竜兵は補足しようと口を開く。 「吉冨。名城線って言うのはな、名古屋の」 「いや分かってる。…だから、そうじゃなくて。山の手と同じじゃねぇかよ。せめて高速道路で言ってくれ」 「首都高」  そこでとうとう善は項垂れた。がっしと竜兵の両肩を掴む善の旋毛が見える。…身長差20センチ近くもある彼の頭頂部を見られるのは、竜兵にとってかなり貴重である。 (…柔らかそ)  そんなどうでもいいことを思いながら、善の二の句を待つ。 「首都高もぐるっと一周してんだろーがっ。んじゃなくて、終点があるところで分かりやすく説明してくれよ」 「じゃあ…東北自動車道」 「お…おぉ……」  以外にも早い切り返しをされて、善が口ごもる。しかしすぐに東北道が埼玉から青森まで繋がっていることに気づかれてしまった。 「お…っ、オメェそれどんだけ道のり長げぇんだよむしろエンドレスでグルグルしてろってか」 「…やっと気づいた?」
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