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時は2890年12月。
純白な雪が降りしきるなか、1人の少年は見知らぬ廃工場の前に立っていた。
背丈は170cm前後、薄めの栗色をした髪は若干 ウェーブが掛かっていて、長さは肩口まであるかないか程度。
長くはないところをみると、生まれつきのくせっ毛だろう。
見たところの齢は二十歳前後といったところだ。
そして、少しばかり距離はあるが、少年に背を向けるような形で正面に存在している少女。
手には 真っ赤な血液で染められたダガーナイフ。
足元には 大量の血液で出来た血溜まりのなかに横たわる、3つの死体。
死因は 刃物による刺傷や切傷からの多量出血。
少女はおそらく、10歳くらい。
透き通るような白い肌と、光沢のない瞳。
腰くらいまでありそうな 淡い水色の、ストレートな髪の毛。
ふと見れば、「なんて儚げな少女なのだろう」と思えるほどに、危うい。
そんな彼女は、身にまとっていた 真っ白なコートも、長い髪も、透き通るような白い肌も全て、返り血で真っ赤に染まっていた。
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