タカも居ずまいから。

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それでも同じ室内なので視界には入ってくるんだけど。 「あーもうホント気分最悪!!」 「あっはは!相当嫌ってるんだね」 機嫌の悪いまゆりに声をかけたのは逢澤先輩。 先輩とまゆりが喋っている間に私はまゆりが取ってきてくれたものを口に運ぶ。 「嫌う以前の問題ですよ。あいつ、人を自分と対等に見てないですもん」 まゆりの視線の先には蒼真さんになにやら言いつけている西園寺さんの姿。 蒼真さんは無表情にそれに従う。 西園寺さんの前では蒼真さんは先ほど話していた時とは別人に見える。 「ああやって感情を殺さないと、爆発しそうになるんだって」 長年、西園寺さんに従ってきた蒼真さんの処世術。 「反抗するより、こびへつらって取り入る方が楽なのにねー」 「それじゃ生きてる意味分からなくなるじゃないですか」 「まぁ、世の中には媚びる事しか考えてない輩もいるけどね」 「誰かに媚びられてるんですか?(笑)」 「過去の話だよー」 「そこん所ちょっと詳しくお願いします!」 「聞いても面白くないって(笑)」 なんだかんだと意見を言い合うけど、逢澤先輩とまゆりって気が合ってるように見えるなー…。 と、何気なく西園寺さんをみると顔全体は微笑を湛えているように見えるけど目だけが全然笑ってない顔でこっちを見ていた。 こっち、というかまゆりと逢澤先輩。 正直言って怖い…。 「芹澤さん?」 「あ、はいっ?」 名前を呼ばれて振り返ると、美倉先輩が。
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